正の数・負の数のかけ算 (符号の変化)
前回、正負の数の足し算について書きました。足し算の教え方は、ちょっと自信アリなんです😅
でも、かけ算わり算の教え方は、まだ開発途中という感じで、先日も同業の方に、「正負のかけ算の符号の変化って、どうやって教えてます?」と質問してしまいました。
(+)×(+)=(+)
(+)×(-)=(-)
(-)×(+)=(-)
(-)×(-)=(+)
を、どうやったら覚えてもらえるか。
たくさん練習すれば身につくよ、という根性論は、学習障害を持っているような子には通用しません。
なるべく忘れにくい、インパクトのある覚え方はないだろうか、と試行錯誤している私の、今現在のベストな教え方を、ご紹介します。
〈支援教室の掲示物より。自作です〉
まず、プラス君とマイナス君の性格を、生徒に説明します。
プラス君は、優しくて素直で、相手のことをそのまま受け入れる子だよ。
マイナス君は、ワガママでイタズラ好き。相手にちょっかいを出してしまうよ。
この説明を聞いた子の中には、実在のクラスメイトと結びつけて、プラス君て〇〇君みたい、マイナス君て〇〇君みたい、と考える子もいます。そのほうが、これから先の説明が納得出来ると思います。
では、かけ算でプラス君とマイナス君が結びつけられてしまうとします。プラス君はこれがやりたい、マイナス君はあれがやりたい、二人の意見が違うとしたら、どっちの意見が勝つと思う?
ーーワガママなマイナス君がゆずるはずないから、マイナス君が勝つと思う。プラス君は我慢して受け入れると思う。
そんな返事が帰ってきたら、しめたもの。「プラス×マイナス=マイナス」の説明は終わりです。
では、「マイナス×マイナス」をどう教えるか。ここが苦心するところです。足し算の時に、マイナス同士は仲間だから一緒になると教えたのに、今回はプラスになると教えないといけないのです。
私はこんな説明(?)をしています。
マイナス君は誰に会ってもちょっかいを出して意見を変えさせたい子。そんなマイナス君が、別のマイナス君と会いました。よし、こいつのことも変えてやれ。そう思って、無理やり変えたら、プラス君の意見になってしまいましたとさ。めでたし、めでたし🎵
そんな感じでお茶を濁しています。
もっとシンプルに、マイナスは相手の符号をひっくり返すよ、マイナスの裏はプラスだよ、とオセロの白黒のように考えさせるのも良いのかもしれません。
そこは教える相手と教える状況によって、臨機応変、色々あって良いと思います。
この符号の変化を覚えることは、中学生の数学を「出来る」ようにするには、不可欠です。
-2-(-5) のような正負の足し算から
-3(6x-4y) のような分配法則、
連立方程式で筆算をして文字を減らす時も、因数分解で〈足して◇かけて△〉の組み合わせを考える時も、とにかく符号を間違えたら、そこで終了です。
「頑張っているのに、なぜかテストで点が取れない」子には、符号の変化を勘違いしている子も多いので、正しく覚えさせてあげたいですね。