方程式を楽しく
さぁ、方程式に入りましょう!
教えるほうも教わるほうも、ちょっと身構えてしまいますよね。さて、何から始めましょうか?
私はまず、方程式はクイズだよ、と話します。
分からない数字をXという文字にしました。さぁ、この式のXはな~んだ?
例)2×X=6 , X-3=0 , X+2=5
これくらい簡単な問題は暗算で解けるけど、難しくなってきたら無理ですよね。
だから、難しい問題を解く方法を覚えなくてはいけません。
①天秤を使って「等式の性質」を考える
天秤の左の皿には、水色の大きいブロック1個と白い小さなブロック2個、右の皿には、小さいブロックが6個載っています。真ん中にあるのは「=」で、左右の重さが同じで釣り合っている状態です。では、大1個と釣り合うのは小さいブロック何個?
両方のお皿から小を2個ずつ取ると
答えは4個。
水色のブロックをXとすると、X=4となります。
「等式の性質」は、方程式の基本なので単元の初めに習いますが、ここでつまずいてしまう生徒が意外といる気がします。
なので、初めは天秤を使いながら、簡単な問題をたくさんこなして、自信を付けてから、次の「移項」に進めてあげたいと思っています。「移項」のやり方を機械的に覚えてしまえば、大半の方程式は何とかなるのですが、「等式の性質」が理解出来ていないと、「両辺を10倍」なんていう技が出てきた時に、対処出来なくなります。
また、普通の計算問題と方程式の区別がついていなくて、
2x+5=3(x-2)=3x-6
などと、右にどんどん計算を展開していってしまう、方程式の意味が分かっていない子もよく見かけます。そんな子には、常に「左辺=右辺」を意識させる必要もあります。
※ちなみに、上の天秤は、針金ハンガーと青い紐、100円ショップで買ったコースターと消しゴムで出来ています。あと、スポーツ用のテーピングと木工用ボンドと粘土を使っています。
・ハンガーを半円形に整形してテーピングを巻き、その上からボンドを塗って紐を巻く。
・両端にコースターをテーピングで固定。その後ボンドで固める。
・消しゴム2個の真ん中に穴を空けてハンガーのフックに差し「=」を作る。
・最後にフックの先端に粘土で重りを付けて、自立出来るようにバランスを整える。
お皿を吊り下げるタイプの天秤は作ったことがないので、今度作ってみようかな🎵
②移項ブロックを使って、ルールを覚える
方程式とは「左辺=右辺」を常に意識しながら式を変形させて「X=☆」を目指すゲームのようなもの。数学の得意な子なら、分かってもらえる感覚でしょう。
苦手な子にもこの感覚を少し味わってもらいたくて作ったのが、下の「移項ブロック」です。
板目紙でサイコロを9個作り、そのうち2個は水色、2個はピンクの紙を貼りました。水色はXの項、ピンクは数字の項に使います。
4個はプラスマイナス用です。サイコロの3面はプラスの赤、残り3面はマイナスの青を貼りました。
最後の1個は真ん中の「=」を目立たせるために使っています。「=」は大事ですので、もっと派手にしても良いかもしれないです。
次は、サイコロ4個が納まる大きさの箱を2つ作って、水色とピンクの紙を貼り、真ん中の「=」の両側にくっつけました。
これで準備は終わりです。
実際の問題に合わせて、水色とピンクのサイコロに数を書き入れて並べます。写真映りを考えてマジックで書きましたが、普段は鉛筆で書いています。問題によって数を変えないといけないので😅
ここまで用意出来たら、生徒にルールを教えます。ルールは2つだけ。
①水色のブロックは水色の箱に、ピンクのブロックはピンクの箱にまとめます。
②真ん中の「=」を飛び越えて動く時は、プラスマイナスが「チェーンジ!」します。
動かすとこんな感じです。
これで移項は完了です。
あとはそれぞれ計算して、「△x=◇」の形になったら、九九を使ったり分数を使ったりして、答えにたどり着きます。
早い子では、数問このブロックを使っただけで、移項をマスターしてしまう子もいます。
一方、もともと問題を解くのが嫌だから、ブロックを並べるのだけ頑張る子もいます。
それぞれのペースで、移項のルールを身に付けてくれれば、それでOKです😉